梅雨明けも間近となり、暑さもより一層増してきている今日この頃。
皆様体調など崩されておりませんでしょうか。
そんな暑い時期にお届けする最初の1枚は海!
海はいいですね、涼しい山もいいですが。
夏はまたいろんなところに出掛けてみたいです。
この写真は5月のゴールデンウィークに、愛媛の八幡浜から大分の臼杵へフェリーで渡っている時のものです。
フェリーを降りると城下町の臼杵が出迎えてくれます。
古い町並を今も残し、観光地としても力を入れているようです。
観光する予定はなかったのですが、古い町並みに惹かれてぷらっと寄ってみることにしました。
観光案内板を見ると、臼杵城跡を初めたくさん見所があるようです。
その中でも一際目を引いた「稲葉家下屋敷」というところへ行ってみることに。
「旧臼木藩主 稲葉家下屋敷」
国登録有形文化財です。
明治35年、廃藩置県後に東京に居を移した旧藩主の里帰りのために建てられたお屋敷だそうです。
敷地面積はなんと約1000坪!
大書院、御居間、台所の各棟を「畳廊下」でつないだ格式ある、まさに「お屋敷」といった感じです。
里帰りのための家とは言え、来訪者をもてなすための公の場としての顔も持っていたと思われます。
千鳥破風(屋根の上の三角部分)が立派な正面部分が表玄関(客用)、右手が内玄関(家人用)となっています。
近代に入ってから建てられたものですが、格式を重んずる「武家住宅」の様式が色濃く残されています。
観光地の文化財なので当然ですが、とても手入れが行き届いており、
こういう施設を訪れる度に、長く使うための手入れの重要さを実感します。(所々改修もされているようです)
ここが「畳廊下」。
今となってはなかなか見れない、ある意味贅沢な空間です。
こういう「余白部分」も客人をもてなし、格式を上げる要素のひとつとなっているようです。
大書院の上ノ間から二ノ間を見た写真です。
上ノ間には長押(なげし)が回され、格式を重んじる「武家住宅」の様式が見てとれます。
長押は初め、一般市民は住宅に取り入れることを禁じられていたほどの設えですが、今となっては洋服をかけるフックを付けたりと、時代の流れの面白さを感じます。
それにしても立派な部屋で、それでいてとても居心地が良いです。
というのも、この反対側がこの稲葉家下屋敷の大きな見所!
このお庭が部屋の中から眺められるからです。
1000坪の敷地は伊達じゃない、ゆったりした敷地にこれも手入れの行き届いたお庭がもてなしの空間を演出しております。
深い軒が作り出す影が縁側に落ち着きと涼やかな風をもたらしてくれています。
上ノ間からお庭を眺めていると、いつまでもこの場所に居たくなります。
開け放った建具越しの見え方も最高に絵になりますね。
内部も縁側や各部屋の繋がりで回遊できますが、
お庭も回遊できるようにつくられており、中からも外からも色々な表情を見せてくれます。
と言った感じで、その他の部屋や隣接する旧平井家住宅など、
紹介し出したら延々と続いていってしまうので今回はここまでにしておきます…。
落ち着きのある、居心地の良い空間、外と中の繋がり、もてなしの空間。
細かい納まりから設えや空間構成など、たくさんの事を感じ取れた濃密な時間でした。
ふらっと寄った割りに、2時間強の滞在となってました…。
稲葉家下屋敷の他、臼杵の町には「二王座歴史の道」やポルトガルとの交流文化を表す「タイル壁画」など見所いっぱいです。色々まわっていると丸1日過ごせそうです。
機会があれば是非訪れてみてはいかがでしょうか。
.
.
.
.
.
.
.
.
.
おまけ
襖に付箋が貼られたままになってました。
ここに書かれてる通り、襖や障子は左が奥、右が手前とするのが習わしです。
「着物の右前」と同じです。アルミサッシも全てそうなっております。
4枚引きの場合は室内側を手前に、部屋と部屋の間仕切りの場合は格上の部屋側を手前に建て込みます。
以上、豆知識でした。
投稿者:石田