栗林公園とは、16世紀後半、当地の豪族によって築庭されたのが始まりと言われており、
その後、1642年、初代高松藩主に引き継がれることになり、本格的な庭園となりました。
明治時代には文化財保護法により特別名勝に指定され、今ではミシュラン・グリーンガイドにおいて「わざわざ旅行する価値がある」として最高評価の三つ星に選ばれています。
今回は、公園内にある掬月亭をご紹介します。
江戸時代初期に建てられた数寄屋づくりの建物で、どの方位から見ても正面にふさわしい美しさ、機能を持つことから、四方正面と呼ばれています。
訪れた日は生憎の雨でしたが、スタッフの方は「雨の日は人が少なく、静かで、庭が綺麗に見えるから私は好きなんです。」と仰っていました。確かに空気が澄んでいて、緑が深まった6月の梅雨、日本特有の季節を感じることが出来ました。
晴れの日の掬月亭は雨戸が仕舞われて、もっと開放的になります。
(C) 香川の観光・宿泊情報サイト「かがわ宿ネット」(http://www.kagawa-yadonet.or.jp/)より引用
雨戸は全て数箇所に設置されている戸袋に納まります。その雨戸の総数はなんと128枚!毎朝2人のスタッフで開けるそうです。
しかし、正面には戸袋が見当たりません。
正面の雨戸は、雨戸廻しという構造によって、90度回転し、戸袋へと移動します。
正面に戸袋を設けるとせっかくの景観を邪魔してしまいます。庭を最大限に楽しむための配慮がなされている訳です。
ゆっくり御茶を飲みながら、素晴らしい眺めを堪能しました。
阿部