自然とモダンに暮らす家。「き」なりの家

ミニマムなこだわりが、印象を左右する
五感に触れる、光と風の行き交う家

物語画像
メイン画像02

光と風の行き交う家

設計:杉本洋

五感で選んだ、家族の未来を紡ぐ場所

家づくりを決意したとき、Nさん夫妻はとにかくよく考えた。
間取りから空間デザイン、窓の大きさ一つに至るまで、「自分たちが望む住まいとは何か」をとことん考えた。
専門家ではない。生かせる経験もない。けれど、そこには自分たち家族がこの先何十年の暮らしを委ねる場所。

無知を理由に人任せにしてしまうには、あまりに大きい買い物だ。
雑誌を見たりインターネットで調べたりしながらイメージを膨らませ、具体的な要望を組み立て、迷い、崩しては、また組み立てた。

物語画像02

ナチュラルな色調に統一したインテリア

 

展示会や見学会にも幾たびか足を運んだ。
その中で、どこよりも心地よく、心身にしっくり感じられたのが、「『き』なりの家」だった。
自然素材が多用され、その立地の風の流れも緻密に計算されているのか、室内のどこにいても空気の流れを感じられる。こんな空間で毎日を過ごせたら、どんなに気持ちいいだろう。その想いは、もちろん、奥さまもまったく同じだった。

マージン画像02
物語画像03

髄所に緑を取込む

物語画像04

道線の良いダイニング

物語画像05

明るさを設計した窓

物語画像06

キッチンの視線があける

マージン画像03

開放感を超える、本当の気持ちよさとは

夫妻がもっとも重視したのは、開放感。
両親から譲り受けた実家隣接の土地は十分広かったが、車2台分の駐車スペースを割くことを考えれば、広すぎるというほどではない。
不要な仕切りは極力設けず、空間はできるだけ広く、窓はできるだけ大きくとり、光や風、自然の気配をいつでも感じられる家にしたいと考えていた。

けれどそんな夫妻に、『き』なりの家はこんな提案をした。

あまり広すぎると、かえって落ち着きが失われてしまう恐れがある。また、東正面には駅があり、その間には広い車道も走っている。外からの視線を遮りつつ、光と風を効率的に取り込むには、メインの開口もある程度高さを抑えた方が、より快適に過ごせるのではーー。

物語画像07

プライバシーに配慮した開口部設計

 


言われてみれば確かにそこは、通勤通学時間ともなると人通りの増えるエリア。もともと描いていたイメージとは異なる予想外の提案ではあったが、数々の家づくりに携わってきたプロの意見を、夫妻は一つ返事で受け入れることにした。

そうして完成したLDKは、一角を坪庭に譲った変形L字型。
奥さまが一日の多くを過ごすキッチンは、正面にリビングスペースを、左にダイニングを見渡す開放的なアイランドスタイルで、リビングに並行して伸びる廊下に視線をやると、食事の支度の最中にも帰り人を笑顔で迎えることもできる。
ダイニングの奥にはやや段下がりの書斎スペースが設けられ、タイル敷きの床はどこか半屋外のような印象を醸し出している。上部に抜けを作った収納棚は、緩やかな仕切りとなりつつ高窓からの光を遮ることはない。その上にはグリーンの鉢植えたちが、北窓からの柔らかな光を浴びて、さも気持ちよさそうに居座っている。

 
物語画像08

建物で緑を囲む開放的な空間

横広に設けられたリビングの開口は、坪庭の緑を豊かに映し出して、まるで絵画のように美しい。道行く人々の視線からそれるやや低めの位置は、ソファでくつろぐ家人の視線にはむしろ近く、風にそよぐ木々を眺めていると、まるでその風をともに感じているような気さえしてくるのだから不思議なものだ。

マージン画像06

全体の印象を左右する、設えのこだわり

来客に備えて設けた和室は、LDKから廊下を隔てた先の、玄関正面に設けられた。
ここで特筆すべきは、何を置いてもその建具だろう。町家の伝統的意匠を基調とした格子戸は、現代的なエッセンスを散りばめた上質な空間にも違和感なく溶け込むよう、極めて緻密にデザインされた。
その美しさがもっとも際立つのは開閉時。組子と組子の間にこぼれるわずかな陽光は、スライドさせることによって左右に揺れる。その様はまるで、光が自らの意思を持って踊りだしているかのような幻想的だ。

そう言及すると、ご主人は「そうでしょう。あれ、すごく気に入ってて」と途端に顔をほころばせた。「オリジナルで造作してもらったものなんです。格子幅を数ミリ単位で調整してもらってね。来客のときくらいしか使わない場所ですけど、玄関入ってすぐに目に入る場所でしょう。細かいことですけど、ちょっとした造作で印象って全く変わりますから、既成のものでは嫌だったんです。」

建具だけではない。そのこだわりは、窓の設え、各部屋の扉口、収納の細部にまで行き渡る。語られて初めて気づくほどの些細なものばかりだが、それがなければ、この家の印象はきっとまったく違ったものになっただろう。

美しさ、心地よさ、そして、安心感。家づくりに求めるものは同じでも、その要が住み手の思いに寄り添い、その期待を超える知恵とこだわり、そして技の先にあることを、この家はその完成された姿そのもので教えてくれた。

物語画像09

マージン画像07
物語画像10

和室の繊細な格子が和室と玄関をモダンに一体化

物語画像11

子供室の大きな空間

物語画像12

LDKは1つの空間

物語画像13

落ちつきのあるベッドルーム

マージン画像08
トップへ戻る